注))性描写、暴力、少々流血表現が含まれます。
総司が酷いし、セイちゃんが可哀想なことになってます。それでもいいって方は自己責任で下へスクロールしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 闇の中に

    咲く花

−前篇−

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近、よく考えることがある。
あれは全て夢だったんじゃないかと。

 

 

 

 

 

 


セイは全身の痛みで目を醒ました。
目が醒めても起き上がることさえ、難儀な今、セイは再び静かに目を閉じた。
瞼の裏に映ったのは優しい顔で微笑んでいるあの男の姿。
すると、背後から障子の開く音がして、セイは肩を大きく揺らす。
何とか、体を起こして障子を開けた人物と向き合った。
途端、セイは強引に腕を引かれ、口を塞がれる。
セイは頭の中で大丈夫だと何度も言い聞かせながら、それを受け入れた。
無意識に体が震えるのが判る。
そんなセイの様子に総司は面白くないな。と呟きながらセイを押し倒し、両手首を布団に縫い付けた。
見上げた顔は何の感情も読み取れず、それが逆にセイの恐怖心を煽った。
思わず、顔を横に背けると、強引に顔を向けられ互いの視線が交わる。
刹那、口を塞がれて、舌を入れようとしてきた。
セイはそれを拒んだが、意地でも抉じ開けようと総司は歯列をなぞって強引に入っていき、セイの舌と自分の舌を絡め合わせた。
幾ら、拒んでも無駄だと悟ったセイは自らも舌を絡め合わせた。
たどたどしくも、舌を絡め合わせてくる姿は総司を煽るには十分で、総司の目の色が情欲のそれにかわる。
唇を離すと、名残惜しそうに銀の糸を引いた。
セイの着物の袷を肌蹴さすと、無数の殴られたような痣が広がった。
その痣はセイの白い肌をより一層白く引き立てる。
総司はその痣を優しく撫でると、唇を落とし、そのまま痣に舌を這わせる。
吸い上げると、痛みが走りセイは思わず顔を歪ませた。

「・・・っ!」

セイのその様子に総司は喉を鳴らしながら笑う。
一旦、体を起こしゆっくりと着物を脱ぎ棄てると、セイの着物も脱がし、再び覆い被さった。
そして、そっと頬を撫でセイの足を取り、大きく開かせ、まだ、十分潤滑もしていないセイの密部に既に熱を持っている自身を捻じ込んだ

あまりの痛みにセイは目を見開いて、生理的な涙を流した。
そんなセイの様子には構わず、総司はセイの身体を激しく揺さぶった。
悲鳴にも似たよな声ばかりがセイの口から発せられる。
総司は随分色気のない啼き声ですね。と耳元で囁くが、セイにはそんな言葉も聞き入れる余裕もない。
必死に受け入れようと、セイは歯を食いしばった。
総司はその様子を愉しむかのように律動を繰り返す。
突かれるたびに、疲労と激しい痛みでセイは何度か気絶しそうになる。
だが、それを許すまいと、総司はセイが気絶しそうになると、頬を叩いて覚醒させる。
もう、何度それを繰り返したか分らない。
セイは、痛みのあまり既に気絶することも出来ずにいた。
総司の襟をつかんで体を押すが、頑として動かない。
その抵抗とも縋りついているとも言えるセイの行動は総司の欲をより一層駆り立てるのには十分で、総司のものはセイの中で硬さを増した。

「お、き・・・せ、せい・・・や、め・・・っあ、あっ、あっ!」

「やめては無いでしょう、神谷さん。さっきまでは悲鳴に近い声をで啼いていたのに、今では、なかなかどうして艶のある声で啼くじゃないですか。気持ちよくなってきてるんでしょう?」

貴女も相当な物好きですね。と言う総司の言葉にセイは顔が熱くなるのを感じる。
思わず、顔を背けた。
途端、総司の動きが激しくなり、セイの密部から微量の血が流れる。
だが、総司はそれを気遣うことなく尚も激しくセイの体を揺さぶる。

「・・・いきますよ、神谷さん。」

静かにそう言うと、セイの返事を待たず、総司は腰を強く打ち付け、セイの中に熱いものを放った。

「沖田・・・せ、んせい・・・」

その呼び掛けに総司は一瞬、瞠目すると、己のものを抜き、セイを抱き上げて強く抱き締めた。
そして、何度も御免なさいと謝罪した。
先程の態度とは打って変って、急に優しくなる総司にセイはその温もりに心地よさを感じる。
まるで、幼子のように振るえている体をセイは抱き締めた。
この人には本当はとても弱い人なんだと思ったら、どんなにひどく抱かれようとも、どんなに強く打たれようとも、この男の事を嫌いにはなれなかった。
総司はセイの体をそっと剥がすと、

「神谷さん・・・愛してます。だから、何処にも行かないでください。」

まるで、縋りつくように再びセイを抱き締める。
その甘い言葉と抱擁にセイは自身で深みに嵌っていくのを感じる。

「はい、沖田先生。私は何処にも行きません。ずっと、先生のお傍に居ます。」

総司はその言葉に安著の息を洩らした。
セイはそんな総司の背中に腕を回す。

「沖田先生・・・」

今はただ、その温もりに身を投じた。

 

 

一体、どのくらい眠っていただろう。
気が付けば、日は高く昇っており、障子の隙間から日が差し込んでいた。
体を起こして、障子を開けると、縁側に座った。
支柱に体を身を預けると、蝉の鳴き声が頭に響く。
ふと、風がセイの頬に触れる。
こんな暑い日はあの日の事を思い出す。
総司が風になりたいと言った日の事を。
途端、セイの瞳から涙が零れ出す。
その涙の訳をセイは考えるが、いくら考えても答えは見つからなかった。
あるのは、胸の痛みと、頭の痛みだけだった。

「あぁ、蝉が煩いな・・・」

 

 

「・・・っ!」

途端、セイの口から血が流れ出る。
口腔内に広がる鉄の味に気持ち悪さを感じながら、セイは総司を見据えた。
だが、総司はセイのその表情が癪に障ったのか、有無を言わさず、セイの襟を掴むと、拳を作りセイの顔を殴った。
瞬間、セイは床に叩きつけられる。

「どうして、分らないんですかね。貴女はただ、私だけを見て、私のいう事だけを聞いていればいいと言うのに。」

ここ最近、打たれることも無かったと言うのに、今日に限ってどうして。そんな事をぼんやり思いながらセイは殴られた所を手で抑える。
総司はセイの体に馬乗りになると、強引に両手で顔を自分の方へ向けた。

「昔から、そうでしたよね。貴女と言う人は。私の言う事なんか全く聞かずに、自ら危険な場所へ飛び込んで行って・・・。」

そこには必死に何かに耐えているような表情で此方を見る総司の姿があった。
その表情があまりにも切なげでセイは鼓動が高鳴るのを感じる。

「申し訳ありません、沖田先生。」

無意識のうちに口がそう動いていた。
まだ、胸の内に眠る自我が違うと訴えかけ抗っているが、セイはそれを無視した。

「沖田先生。私はいつだって、先生しか目に入っていません。」

こう言えば、いつもの総司に戻ると信じていた。
だが、今回は違った。
途端、セイは後ろ髪を引っ張られ、無理矢理上を向かされる。

「嘘はいけませんね、神谷さん。知っていますよ。昨日、貴女が知らない男と話しているのを見てしまったんですから。」

「そ、れは、ただ、挨拶をしただけで・・・」

冴えた月の様だなんて表現は生ぬるい程、冷たい目がセイを見下ろしていた。
セイはその瞳に背筋が凍るのを感じ、今すぐにでも逃げ出したい衝動に駆られるが、足が竦んで動けなかった。
逃げられないと悟った、セイは顔を横に逸らす。
その様子に総司は喉を鳴らしながら笑った。

「・・・怖いですか、私が。」

そう言って、総司はセイの首に手を回す。
次第に、力が込められて行き、息苦しくなってくる。
咄嗟に総司の手を外そうとするが、力で敵う筈もない。

「私には、貴女の方がよっぽど怖い。」

最早、抵抗する気力も無くセイは生理的な涙を零しながら総司を見据えた。
やがて、意識が遠のいて行くのを感じ、素直にそれに身を投じた。
自分が怖いとはどういう事なのかと思いながら。

 

 

辺りは暗闇に包まれ、一寸先さえも見えない。
暫く辺りを見渡していると、あの頃と同じ様に優しい笑顔をした総司が、いつの間にか立っていた。
こんな闇に、総司だけは何故が映えて見え、手を伸ばすが、届かない。
もどかしくて、総司の名を呼ぶと、急に意識が戻っていくのが分る。

「・・・私、まだ、生きてる・・・?」

意識が戻り、見慣れた天井を見て、開口一番に思わずそう口にした。

「変な事を言いますね、神谷さん。」

聞こえて来た声に、セイは思わず、身を強張らせた。
恐る恐る声がした方を見ると、春の日差しの様な笑顔が此方を見ていて、セイは自分でも気づかないうちに涙を零していた。
セイの涙を見た総司は慌てて、セイに駆け寄る。

「ど、どうしたんですか、神谷さん?」

咄嗟に涙を拭い、

「大丈夫です、何でもないありません。少し、疲れちゃったみたいです。」

「そうみたいですね。貴女は今、産み月なんですから。ほら、今日はゆっくりお休み。」

そう言って、総司はセイの頬を撫でた。
総司の優しさに、また、涙が零れそうになるのを堪えながらセイは微笑んだ。

「・・・はい。」

そして、次第に体が重たくなる心地よさを感じ、元気な赤子を生んでくださいね。と言う言葉を聞きながら意識を手離した。

 

 

「・・・あ、また、同じ天井。」

そう呟いて、セイは溜息を吐いた。
何て都合のいい夢を見たのだろうと、セイは体を起こし、外を眺めた。
夢と現実の違いに、胸が押し潰されそうだ。
都合のいい夢を見るのがこんなにも苦しい事なんて思いもよらなかった。
今回ばかりは都合のいい夢を見た自分が憎たらしい。

「気が付いたか、神谷。」

突然、聞こえて来た声に、セイは肩を大きく揺らす。
そこには、土方が腕を組みながら、此方を見ていた。

「副・・・長?何で・・・」

「・・・ちょっとな。それより、お前、大丈夫なのか?」

皆まで言わなくとも、土方が言いたい事がセイには分った。

「はい、私は、大丈夫です。それより、沖田先生は?」

途端、土方は溜息を吐くと、頭を乱暴に掻いた。

「心配するな。あいつは今、遠くに仕事に行っている。」

その言葉にセイは胸を撫で下ろす。
土方はそんなセイの頬を撫でた。

「すまねぇな。あいつが此処まで馬鹿だったなんて俺は思いもしなかった。全ては俺の不始末だ。この通りだ。」

そう言って、頭を下げた土方にセイは慌てて、顔を上げてくださいと言った。

「・・・神谷、行くなら今の内だぞ。ここで、俺と一緒に行くのならお前には新選組とは一切関わらない場所に・・・」

「いいえ、副長。私はここに残ります。」

土方の言葉を切ってセイははっきりと言った。
思わず、土方は瞠目する。

「何故だ!こんな目に合わされてるってのに・・・!」

 

 

 

「あの人には私が必要だからです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苦情は一切受け付けませんヽ(´∀`)ノ

5/13 加筆 修正

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